低温調理器で作るローストビーフ
自宅でしっとり柔らか!低温調理器で作るローストビーフ
プロのような仕上がりも夢じゃない。放っておくだけで極上のごちそうが完成!
低温調理器(スロークッカーやボニーク、ANOVAなど)を使えば、火加減の難しいローストビーフも簡単&失敗なしで作れます。
しっとりやわらかいお肉に、ジュワッと旨みが広がる――。
今回は、王道のローストビーフレシピを、家庭で再現できる方法でご紹介します。
低温調理器で作るローストビーフ
分量:3〜4人前
📦 材料
- 牛もも肉(塊) … 約500g
- 塩 … 小さじ1
- 黒こしょう … 適量
- にんにく(すりおろし) … 1片分
- オリーブオイル … 小さじ1
- ローズマリーやタイム(お好みで) … 適量
👨🍳 手順
- 牛もも肉は室温に戻しておく(30分〜1時間)。
- 塩・こしょう・にんにくを全体にすり込み、オリーブオイルをまぶす。
- 真空袋またはジップロックに入れ、空気を抜いて密封する。
- 低温調理器を58℃・3時間30分にセットして加熱。
- 終了後、袋から出し、表面をフライパンで焼いて香ばしさをプラス(中火で30秒ずつ)。
- 粗熱がとれたら薄くスライスして完成。
🍷 ペアリングのおすすめ
赤ワイン(カベルネ・ソーヴィニヨン)やバゲットと相性抜群です。
🥩 なぜローストビーフには牛もも肉が選ばれるの?
1. 脂肪が少なく、火を通しても形が崩れにくい
牛もも肉は赤身が中心の部位で、脂肪が少ない分、しっかり火を通しても煮崩れしにくく、スライスしたときに美しい断面になります。低温調理との相性も抜群です。
2. 旨みが濃く、肉の味をストレートに楽しめる
赤身が多い=肉本来の旨みを味わえる部位。
塩・こしょう、ハーブだけでシンプルに仕上げるローストビーフでは、この素材の良さが際立つんです。
3. 価格が比較的リーズナブル
サーロインやヒレと比べて価格が抑えられていて、500g~1kgの塊肉でも手が届きやすいのが嬉しいところ。ホームパーティーやイベント料理でも使いやすいです。
4. スジや余分な脂が少なく、下処理がラク
家庭での調理には、なるべく包丁を入れる工程が少ない方がラク。
もも肉は比較的そのまま使えることが多く、調理初心者でも扱いやすい部位です。
💡他の部位でも作れるの?
もちろん可能です。たとえば…
部位 | 特徴 | 向いている人 |
---|---|---|
サーロイン | 脂が多くジューシー。柔らかめ | 肉のコクを求める人 |
ランプ | 赤身で柔らかく、見た目も◎ | 赤身好き・映え重視 |
ヒレ(フィレ) | 最も柔らかく高級感あり | 特別な日・贅沢派 |
肩ロース | 少し固めだがコスパ◎ | 噛みごたえが好きな人 |
ローストビーフに合う!おすすめのたれレシピ5選
① 王道!玉ねぎ醤油ソース(和風)
さっぱり×旨みのバランスが絶妙。万人に好かれる定番たれ。
材料(2〜3人分)
-
玉ねぎ(すりおろし)… 1/2個
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醤油 … 大さじ2
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みりん … 大さじ1
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砂糖 … 小さじ1
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酢 … 小さじ1
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にんにく(すりおろし)… 少々
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お好みで黒こしょう or わさび
作り方
-
材料をすべて鍋に入れて中火で加熱。
-
沸騰直前で火を止める。
-
粗熱をとって肉にかける。
🔍 ポイント:一晩寝かせるとさらにおいしいです。
② 肉汁+赤ワインソース(洋風)
お肉の焼き汁を活かして作る、本格派ソース。
材料
-
肉の焼き汁 … 適量(フライパンに残ったもの)
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赤ワイン … 50ml
-
バター … 10g
-
醤油 … 小さじ1(隠し味)
-
はちみつ … 小さじ1(または砂糖)
作り方
-
肉を焼いた後のフライパンに赤ワインを入れてアルコールを飛ばす。
-
バターと調味料を加え、軽く煮詰めて完成。
🔥 フレンチっぽい雰囲気にしたいときにおすすめ。
③ わさび醤油ソース(大人向け)
ピリッと爽やか、大人に人気の味わい。
材料
-
醤油 … 大さじ2
-
みりん … 大さじ1
-
酢 … 小さじ1
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わさび … 小さじ1/2~お好みで
作り方
-
調味料を混ぜるだけ。
-
食べる直前にかける。
④ ポン酢+大根おろし(さっぱり系)
脂が気になるときや夏場にもぴったり。
材料
-
ポン酢 … 大さじ2
-
大根おろし … 1/4本分
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小ねぎ … 適量
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ゆずこしょう or 柚子皮(お好みで)
作り方
混ぜるだけ!食べる直前にのせると食感が残って◎。
⑤ 市販ソースにひと手間アレンジ
時間がないときや失敗したくない人へ。
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市販の「ステーキソース」や「ローストビーフ用ソース」に
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バターを少し加えてコクアップ
-
おろしにんにく or レモン汁を加えて風味をプラス
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ハチミツや黒酢で甘さ&酸味を調整
-
✅ まとめ:お肉のタイプと相性で選ぼう
お肉タイプ | 相性の良いたれ |
---|---|
赤身(もも) | 玉ねぎ醤油/わさび醤油/大根おろしポン酢 |
脂多め(サーロインなど) | 赤ワインソース/さっぱり系 |
冷めてから食べる場合 | ポン酢/玉ねぎ系の濃厚ソース |
ホームパーティーなど | 数種並べてディップ風も楽しい |
🔪 ローストビーフを美味しく見せる「切り方のコツ」
✅ 1. 繊維を断つように「垂直に」カットする
お肉には「筋(繊維)」があります。
ローストビーフはこの繊維に対して垂直にカットすることで、噛み切りやすくなり、やわらかく感じるようになります。
✍️ 見分け方:お肉の表面をよく見ると筋の流れがわかります。
その流れを横切るように包丁を入れるのが正解。
✅ 2. なるべく薄くスライスする
1枚の厚さは3〜5mm程度がベスト。
薄く切ることで、口当たりがよくなり、しっとり感と旨味がしっかり伝わります。
🔍 薄く切れないときは、包丁を研ぐか、冷蔵庫で一度冷やしてから切ると切りやすくなります。
✅ 3. 包丁はスーッと引くように
力を入れて押し切るのではなく、刃の長さを活かして「引く」ように切るのがコツ。
波刃のパン切り包丁を使う人もいますが、できればよく研がれた牛刀や柳刃包丁がベストです。
✅ 4. カット前に少し休ませる
加熱後すぐに切ると、肉汁が流れ出てしまいます。
カットする前に、常温で10〜15分ほど置いて肉汁を落ち着かせましょう。
これで断面が美しく、よりジューシーに。
✅ 5. 切る方向は毎回チェック!部位によって変わることも
-
ヒレやランプは、繊維がまっすぐで分かりやすい
-
モモ肉の中でも部位によっては繊維の向きが複雑なことも → カット前に「筋の流れ」を確認!
断面も料理のうち。切り方で「映え」も変わる!
美しいピンク色のグラデーション、肉汁のつや、並べ方のバランス。
切り方と盛り付けを意識するだけで、レストランのような一皿に早変わりします。
💡まとめ
ポイント | 説明 |
---|---|
繊維を断つ | やわらかく噛みやすく |
薄く切る | しっとり食感と美しい見た目 |
包丁は引く | 表面をなめらかに |
休ませてから切る | 肉汁が逃げずジューシー |
盛り付け前に向きを確認 | 部位によって切る方向が変わることも |
🕒 3時間30分より短いと、どうなる?
❌ 1. 中心部まで加熱が足りない(=生っぽい)
肉の厚さがある場合、中心部まで58℃に到達するまで時間がかかります。
時間が足りないと、外側は加熱されていても、中はほぼレアのまま=食中毒リスクありという状態に。
❌ 2. コラーゲンが分解されず、固く感じる
低温調理は、筋肉を固くせずにコラーゲンをじわじわと分解する調理法。
3時間30分という時間は、そのコラーゲン分解(ゼラチン化)に必要な最低ラインでもあります。
これより短いと、「やわらかいけど噛み切れない」という違和感ある食感になります。
❌ 3. 衛生面のリスクが上がる
58℃という温度は、食中毒菌(特に大腸菌など)を安全に殺菌するには時間が必要です。
温度だけでなく**“時間×温度の積”**が安全性に関わっているため、時間が足りないと危険です。
🔍 例えば:
60℃なら約2時間でOK
55℃だと5時間以上必要になる
→ 低温であればあるほど「長時間」が前提
✅ 安全かつおいしく仕上げるには?
厚さ | 温度 | 時間の目安 |
---|---|---|
約3〜5cm | 58〜59℃ | 3時間〜3時間30分 |
2cm程度(薄め) | 58℃ | 2時間30分程度でも可(やや早め) |
💡 補足:短くしたいなら?
-
お肉のサイズを小さく(薄く)する:火の入りが早くなる
-
温度を少し上げる(例:60℃):短時間で同じ効果が得やすい
-
ただし、温度を上げると肉質がややパサつく可能性もあるので注意
✍️ 結論
低温調理では「じっくり火を通す」のが成功の秘訣。
**短縮すると、「見た目はできてるけど中は生、食感は固い、衛生的にも不安」**という状態になるため、レシピ通りの温度と時間を守ることがとても大切です。